京都に息づく伝統文化はじめ、様々なブランドや作り手とのコラボレーションプロダクトを展開するノーガホテル清水京都。
ゲストルームのドアに配している"Do Not Disturb"と"Eco Friendly Cleaning"の2つのカードは、
京都を拠点に活動するグラフィックデザイナー、三重野 龍氏とのコラボーレションにより誕生したもので、重厚感のあるドアとは対照的なグラフィック作品によって、絶妙な"ヌケ感"をプラス。
今回は、三重野 龍氏のアートの根幹や、ノーガホテル清水京都とのコラボレーションプロダクトについて聞いてみた。
「影響を受けたのは、他のグラフィックアーティストたちではなく、主に昔の漫画やアニメ。例えば、手塚治虫さんの「鉄腕アトム」「火の鳥」をはじめ、昔の日本の作品のタイトルなどの影響が大きいですね」
日本のポップカルチャーから影響を受けた三重野氏のグラフィックは、
まさに独特で前衛的。
とはいえ、大人にはどこか懐かしさも感じさせるようなデザイン。
ノーガホテル清水京都が大事にしている京都をはじめとした日本の伝統というところでは、
三重野氏の作品の源泉もマッチする。
そして、京都のアートギャラリー兼ショップとして名を馳せる『VOU / 棒』のオリジナルアイテムや、過去に某アパレルブランドと『餃子の王将』とのコラボレーションアイテムのグラフィックを手がけたことをはじめ、三重野氏の拠点である京都を代表するブランドと関わっていること。
「VOU / 棒」のオリジナルアイテムをはじめ、過去に三重野氏が手がけたデザイン。絶妙な力の抜け具合と、芯が同居する独特のグラフィック。
その点と点が線になるように、
ノーガホテル清水京都が依頼したのは、ちょっとした"遊び"だ。
「最初にノーガさんからコンタクトがあったときに、ホテルやゲストルームのコンセプトを教えていただいて。漆や焼物といった伝統工芸がベースで、そこで自分がどういった表現ができるのか、というのは少し不安はありましたね。ただ、担当の方からは「渋めの空間に、あえてちょっとした遊びを加えたい」とのことだったので割と自由にさせてもらって。実際に設置されている自分の作品を見た時は、なんか"悪いこと"してるような。街中にステッカー貼りつけてるみたいな感じで(笑)」
元々の重厚な空間を、逆に引き締めてくれるかのような独特のデザインと色使い。
2つに共通する不規則な揺らぎのあるデザインは"自然"だと言う。
「"Do Not Disturb"は、松の木の皮がベロベロと剥がれているような様子を落とし込んでいて。もうひとつの"Eco Friendly Cleaning"は水。自分の作品は、動物や魚、植物の模様など自然のものからの影響も大きい。書体とパターンは別々で描いて、最終的にそれらをトレースして。」
そして完成した2つのデザインによって、ゲストルームに絶妙な遊びが加わった。
ご宿泊の際は、三重野氏とのコラボレーションプロダクトをぜひお見逃しなく。
さらに、2023年には三重野氏との新たなコラボレーションを予定しているので、
こちらもお楽しみに。